株とスポーツ

島田紳助の番組にハードル走の為末大選手が出ていた。

最近彼は株の本を書いたらしく*1陸上スポーツと株の共通点について話していた。

インベストメント ハードラー
為末 大
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彼曰く

  • 陸上選手には好不調の波が必要である
    • 野球などシーズンを通じて行われるプロスポーツでは年間安定して「調子が良い」ことが望ましい
    • 逆に、陸上競技には波が必要だ
    • 大きな大会のときに良い波があれば、記録につながるからだ
  • そのため、人為的にこの波をコントロールしなければいけない*2
    • 負荷を強め身体の調子を悪くする(彼は「底値」の状態と言う)
    • 身体は痛めつけた反作用で以前以上の状態に立ち直る*3
  • この波の発生が株に相通ずる点である
    • 両者は高い波を得るためには一旦底に沈むプロセスを経る必要があるという点で似通っている

ということ。
彼が話す前、島田紳助が「今からこじつけるねん」と言っていたが、何かそんな感じもするし単純に感心もする。

肉体の波をコントロールするのはトップアスリートであれば可能だが、株の場合は1投資家で価格の波をコントロールできるわけはない。したがって、このアナロジーはそれほど役に立つものとは思えない。こういう論拠から本を書いているとしたら、ずいぶん脈絡のない文章になっていることだろう。

*1:東証の2005年の大納会ではゲストを務めていたそうな。

*2:本筋とは違うが、無自覚でも好不調には必ず原因があって、「スランプに陥る」というのは不調の原因を見失った状態であるのだと彼は言っていた。

*3:筋力トレーニングにおいては超回復という現象が知られているが、そんな感じなのだろうか?