すもももももも

またしても漫画レビュー。

暴力恐怖症の高校生、「犬塚孝士」の元に地上最強のヨメ、「九頭竜もも子」がやってきた! その拳は地を割り、その脚は天を駆ける!!
連載開始直後から各方面で話題を呼び大人気となった史上最強熱血ラブコメ第1巻!!

主人公・孝士は武術家の息子で、暴力恐怖症。
彼に求婚する、武術家の娘・もも子。二人の父親は、最強武術家の血をかけ合わせるため、我が子同士の結婚を誓っていた。

本作の基本構造は、「異世界婚姻譚」。異世界からヨメさんが来る話である。古くは「天の羽衣」の伝説、マンガでは「うる星やつら」などが代表的。

常識人の孝士にとっては、十二分に、武術家の世界も異世界であると言える。

なにせ、ヒロインは初対面から孝士の上に乗り、子作りモード全開!

「さあっ孝士殿 私と子を作りましょうっっ!!!」
「わっ私と!! セックスしてください……!!!」

と猛獣のように主人公を押し倒し交配を強要するヒロイン・もも子。
ほとばしる野生! 本能! まるで谷家の壮絶な夫婦生活を垣間見ているかのよう!!!!*1
主人公・孝士はかくのごとく毎夜執拗に同衾を求められながら「フン、断る」と切り捨てる。気丈で常識的*2、かつ優秀、社会正義のため検事を目指す人間として描かれる。
それだけに、もも子や他の武術家の変態性との対比が引き立ち、異常事態に巻き込まれたときの状況がおもしろおかしい。
この対照性は、序盤のギャグの肝であり、同時にドラマの切り口ともなる。
自らの最も嫌う非常識的な武術家同士の抗争に巻き込まれ、命を狙われる孝士。暴力には簡単に屈してしまいそうになる。潰えそうになる彼を支えるのが、他ならぬ地上最強のヨメ・もも子なのだった。

こうしたジャンルのマンガの真骨頂は、ギャグとドラマのバランスであるが、本作はそれを巧くクリアし、ついでに高いレベルの「萌え」をも提供している。

そつのない、それでいて、はっちゃけていて楽しい作品だ。

夏発売の第2巻で、「妹キャラ」いろはが登場する。加速する「萌え」に要注意だ!!!!

http://f19.aaa.livedoor.jp/~hiyousi/offlinever2/image/sumomo-iroha1.jpg

http://f19.aaa.livedoor.jp/~hiyousi/offlinever2/index.php?no=r407

*1:すいません、私の勝手な想像です!

*2:女主導のラブコメでは、男は優柔不断が常道だが、こうまでヒロインの押しが強いと、ただ交尾を営むだけのマンガになってしまいかねない。それではラブコメとして成立しない。