テニスの王子様 ドキドキサバイバル

週刊少年ジャンプ連載で、アニメ化で大ヒットした上に、アイドル男子が登場人物を演じてミュージカルとしても上演された、人気バトル漫画と言えば、一昔前は『聖闘士星矢』(セイントセイヤ)*1で、ここ数年では『テニスの王子様』(テニプリ)。

どちらも美少年たちが超人的な力を振るうバトル漫画である*2

その意味でテニプリは正しく車田正美漫画の系譜だが、その作品をとりまく環境で当時と違う部分もあって、その最たるものがビデオゲーム市場である。音声映像技術の発達によってゲームの表現力は大きく増した。それにより恋愛シミュレーションゲームなんてジャンルも成立した。

そのキャラ構成から、テニプリ関連で女子向けの恋愛シミュレーションゲームがいくつかリリースされている。

その1つは「ドキドキサバイバル」という作品*3。これがマジメに観てるとおかしくってたまらない。クセになる。

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まず舞台設定。選抜合宿への移動中遭難した選手40人と客船に乗り合わせた主人公の少女2人(海側・山側それぞれの主人公)が無人島で救助を待つ間サバイバルを余儀なくされるという前フリで始まる。そもそも第二次性徴を迎え血気盛んな体育会系の男子40人が行き場のない精力を持て余し、無人島で女2人を取り囲むといった状況下で、普段と何ら変わらず極めて紳士的に扱われるのだから、この40人はあまりに聖人君子すぎやしないだろうか。

また、教師不在の状況で、中学生たち全員が全員、事態を冷静に受け止め、強力なリーダー*4の下で各自役割分担されグリーンベレー並に統率された動きで淡々とサバイバルを遂行していく点も、笑えて仕方がない。

そして狂おしいほどのテニスへの情熱。彼等は遭難し、明日をも知れぬ身でありながら、廃村に残る網等で手製のテニスコートを作り、時間を見つけてはテニスの練習に没頭する。なぜ無人島でサバイバルしながらテニスせねばならんのか。なにが中学生をそこまで駆り立てるのか。「そんなの言い訳にならない」とか彼等は言うけど、いや十分なる。遭難してんだから……。練習と称して無駄なカロリー消費するほうが余程言い訳にならない。

そんな特攻隊のような悲愴な覚悟でテニスに挑む連中にキュンキュン乙女心を刺激されるドキドキサバイバル。イベントシーン観てるとちゃんとキャラも立ってていい作品だと思います。


実況プレイ動画

このプレイヤーは緒方恵美もびっくりの美少年声なのだが男はリアルに苦手らしい。ブログ→http://pegasusko.blog.shinobi.jp/

*1:ちなみに『聖闘士星矢』を演じたのは当時6人だったSMAP。キムタクは悪役・海皇ポセイドンである。あの面子だとそうなるか。http://farm4.static.flickr.com/3051/2872320379_e663538ae8_m.jpg

*2:バトル漫画。大事なことなので二回言います。詳しくはテニプリの映像をドラゴンボールZの主題歌とあわせた下記のMADを参照。

*3:正確には2作品。同じシチュエーションで海側・山側とチームを分けて、それぞれ別の主人公がいる。

*4:海側のリーダーとなる「俺様の美技に〜」で有名な跡部様は、いついかなるときも迅速な状況把握と適確な指示でキングの風格を漂わせている。その上に、自らヤマカガシに噛まれようともその毒が奥歯の根元にあることを知っていて、よほど深く噛まれないと毒が廻らないと言って決してうろたえない知識と精神力。……もう、これ、原作はテニスの話ですよ?