お話が分かるだけのテイルズオブデスティニー
TOD（テイルズ・オブ・デスティニー）のデモ画面を中心にしたプレイ動画で、とにかく個性的なキャラのかけあいが面白いので、ぐいぐい引き込まれる。ライトファンタジー系のノリが好きな人なら迷わずはまるだろうなあ。
男子キャラがかわいい。「俺たち親友だろ」とか恥ずかしげもなく口走っちゃう正統派の単純熱血バカの主人公が、誇り高い（背は小さい）美形クールガイに何度となく冷たくされながらも、ひるまず仲良くしようとして、ツンツンされつづけるところとかたまらない。たぶんTODにはツン・オア・デレの意もある。
シナリオの骨子としては、「田舎から都会へ出て兵隊になる」という素朴な夢を抱く実直な主人公が、ひょんなことからモンスターを大量生産して人々を困らせる悪人を成敗するのだが、話が後半に進むへ従い、信じた者、憧れた者に裏切られ、また相手方にも民族自決的な大義名分があって、「正義って何だ？」と悩み、結局「俺たちの正義って自分の回りの大事な人を守ることだよ」というシンプルな結論に達する。要は、東西冷戦が終わって民族主義に回帰した現代世界なのである。
そういえば基本世界観は中世ヨーロッパモチーフなんだけど、グローバルに事業を展開する巨大企業があって、彼らの資本投下で新興都市で貧富の差が大きくなって社会問題になっていたりする現代的リアリティ。船舶は大航海時代だったり、19世紀フランスのような共和制を唱える革命活動家がストーリーに絡んできたり、世界観考証がむちゃくちゃなのは、歴史のいいとこどりである。すがすがしい。
