タクティクスオウガ 名シーン

YouTubeに上がっていたので貼っておく。容赦ないネタバレ。
TO一番の見せ場から。

バルマムッサの虐殺。私は南京と呼んでいる(※この物語はフィクションです)。

このゲームは偉大な王の死後、民族*1ごとに分裂して戦う島国ヴァレリアの争乱を中心に描いた物語。

少数民族ウォルスタ人の英雄である主人公デニムは、民族を一致団結させるため敵に偽装して無辜の民を虐殺することに同意を迫られる。

同意しないとC(カオス)ルート。虐殺は実施され、デニムは軍を追われ、反貴族・民族主義の過激派ゲリラに身を寄せる。

ここから大人の妥協をして軍に戻るとN(ニュートラル)ルート、民族の垣根を越えた独自勢力を率い戦うことを選べばC続行。

一方、南京大虐殺OKを選ぶとL(ロウ)ルート。南京大虐殺が偽装工作だという噂が漏れてしまったため効果があまり出ず。求心力を失ったロンウェー公爵(自分ちのボス)をレオナール(上司)と一緒に暗殺し、レオナールは悪役を引き受けてデニムと一戦交えたあと、彼に道を譲り死亡。熱い。

Lでは過激派ゲリラは海外からやってきた暗黒騎士団ロスローリアンによって壊滅。紆余曲折を経てデニムの下に。

TO屈指のトラウマシーン。蹂躙されるのはゲリラの女リーダー、炎のセリエ。当時は全年齢向けのSFCでも、セリフによるほのめかしだけなら強姦輪姦描写もOKだったんだろうか。「さっすが〜、オズ様は話がわかるッ!」のノリが軽くて最高。

ルートによっては軍が略奪・レイプを繰り返すので何とかしてくれというイベントも出てくる。SFCの画面で「レイプ」なんて単語を見るとは。

Nルートで捕虜にされたセリエがチャーム(精神魔法)で「可愛がってやるぜ」と服従させられるシーンも背徳的で実にけしからん。

ところで各ルートはそれぞれ趣が異なるが、結局、最終章は一本に合流することになる。なぜなら、デニム君より上の者が全てのルートですったもんだの末に全員死んじゃうから、デニム君がウォルスタ解放軍の最高指導者にならざるを得なくなる。

同様に、デニム君の選択は、どのルートを選んでもライバルとして袂を分かつ親友ヴァイス君の運命にそのまま影響を及ぼすため、ヴァイス君はルートごとに全然違う人になってしまう。

そしてプレイヤーに対するショッキング度合で言えばこれ。

「命を賭けることと死を恐れないことは違う」と、デニムに「命という責任」を教えた人格者、聖騎士ランスロット。序盤は頼りになる仲間だったが、やがて囚われの身となり、過酷な拷問の末に廃人と化す。

再会した彼は言葉を発せずただ海を見つめ、妻の形見のオルゴールの音色にのみ反応を見せ、椅子から転げ落ちて立ち上がれずアウアウ言う。これは哀しい。日本の介護保険制度では要介護度4認定ぐらい。よくSFCでこんなん出したなあ。