「7割で腹をくくって、生き残れ!」 (“アンチ天才”のボトムズ流仕事術)

人に任せてあらゆることは70点でいいやと開き直ること。それ重要。
最近出来のあまり良くないパートナーと組まされている。ゲームデザイナーを志していたので彼のことをゲーム君と呼ぼう。
ゲーム君は経験が浅くポテンシャルも高い方ではないしコミュニケーション能力も低い。
しかしマジメなので5〜60点レベルまで出せるよう叩き込み、後は適度に泳がせて生暖かく見守っている。クリティカルなミスさえしなければ多少客に怒られてもそれだけのことだ。

ちなみに私流ブートキャンプ*1はこうだ。

  • 質問に対する回答は3秒以上待たせるな。第1の回答(即答可能/要調査/全く分からない)を出せ。
  • 電子ファイルで、頻繁に使う資料はショートカットを用意し平均3秒以内に取り出せるようにせよ。
  • 打ち合わせ中も質問には3秒以内に回答(即答可能/要調査/全く分からない)。
    • (要調査の場合)手元に紙の資料があるか。あれば10秒以内に出せ。出ない場合は後で調べろ。
  • 打ち合わせは他人の時間を使っている。無駄な時間を費やすな。シナリオや想定質問を考え効率よく運営せよ。
  • 話した内容を書き下せば、文章として意味が通るように(つまり論理的に)喋れ。
  • 話すときは意味を明瞭に。直前の文に対する単語以外は指示語(これ、あれ)を使うな。

人間のパフォーマンス・チューニングをやっているのだと思えばいい。機械やソフトウェアは部品を換装すればよいが、人間はそうもいかない。だからトレーニングなのである。
上にあげた内容は(資料参照も含め)コミュニケーションの速度・精度向上にポイントを絞っている。パフォーマンス・チューニングの考え方により、処理系全体としてのスループットに与える影響の大きい箇所から直すからだ。言うまでもなく、1人きりで作業するより相手がいる場合、時間のロスは人数倍になる*2

また、ゲーム君の場合は特に、対人関係での瞬発的な集中力、先読み(空気読み)能力と、パニック耐性をつけさせるためにあえて急がせる部分がある。「慣れ」のためには試行回数を増やすのが一番だ。

*1:ビリーズブートキャンプで人口に膾炙した単語だが、元は新兵の基礎訓練を意味する。

*2:同様の理由で他人の作業を止めてしまうようなミスは避けなくてはならない。「(10人の作業を1時間止めるミスをすれば)10時間タダ働きすると考えたら大変なことでしょう?」等と言ってイメージを具体化させるといい。