低品質石炭の高品質化

神戸製鋼所インドネシアに豊富に存在するものの、水分が多いため利用が進んでいなかった低品質炭(褐炭=Brown Coalなど)を改質・高品質化(Upgrade)し、主に電力用途で活用することを目的とする大型実証プロジェクトを進めている。

今回実証の対象となる改質褐炭は、その間に培った石炭の脱水技術を応用し、「天ぷら」の原理で、褐炭に含まれる水分を、加熱した軽質油を使って効率的に除去する画期的な技術である。

褐炭改質のメカニズム

原理:加熱した油の中に水分の高い石炭を入れ、水分を蒸発させる。(「天ぷら」) プロセス: (1) 石炭を粉砕する  (2) 軽質油と混ぜてスラリー(流動性のある固体と液体の混合物)を作る  (3) スラリーを加熱し、石炭中の水分を蒸発させて脱水する (4) スラリーから油を回収する  (5) 脱水された石炭を豆炭状に成形する 特長:温度や圧力などの処理条件が比較的穏やかで、エネルギー効率が高い

この発想が面白い。日経ビジネスの記事だとスラリーにアスファルトを混ぜて、アスファルトを褐炭の細孔に吸着させて撥水させるという仕掛けも書いてあった。