絶対音感で働く誇りと戸惑い

日経ビジネスオンラインより。スーパーマーケットなどで耳にする、ヒット曲をチープなシンセで置き換えアレンジした環境音楽*1制作や、着メロの採譜をしている職業音楽家のインタビュー記事だが、結構面白い。

 名刺には“作曲・編曲 松原毅”と刷ってある。職業は音楽家と言えばいいのかと問うと、やや長めの髪を左右に振って松原は照れた。そんなにいいもんじゃないですよ、と。

 訊かれたときはアレンジャーを名乗ることにしているという。ヒット曲をオルゴール仕立てにアレンジしたCD制作が彼の仕事だ。
(中略)
 松原は、オルゴールCDのアレンジ以外に他の仕事も請け負っている。もちろん絶対音感を必要とする仕事だ。

 着メロの採譜である。

 採譜というのは、その曲の演奏で使われているすべての楽器をパート別に楽譜に書きおこすことだ。いわゆる“完コピ”と呼ばれる作業だが、聴きとった音をそのまま楽譜にするだけの仕事は、絶対音感の持ち主には難なくこなせる仕事と言ってもいい。

この松原毅という人の仕事をちょっと探してみたら、music.jp for PCの検索結果一覧がヒットした。
http://pc.music.jp/product/detailartist.aspx?aid=767
なるほど、J-POPや宮崎アニメの人気にあやかる因果な商売である。でも、この世の中の人間が、本能的に暗闇と静寂をおそれる限り、彼らの仕事はなくなることはないだろう。