日本の生産性を見直せ 1 〜 労働生産性は米国の7割

日本の労働生産性は、米国はおろかOECDの平均に比べても低い。その原因はサービス業の生産性の低さにある。
なぜサービス業の生産性が低いか?

  • コンピュータを活用できていない
    • コンピューターに任せたほうがいい仕事を人間がやろうとする
    • 業務の標準化ができていないためにコンピューターで処理できない
    • コンピューターで仕事ができるのに、会議を開いたり、電話をかけたり、「念のために」確認作業をする

→つまり“コンピューターへの権限委譲”が進んでいない。
人間に依存しすぎている業務を海外人材やコンピューターに任せるべき。
そのために必要になるのは何か?

→業務分析。
人、コンピューターに任せるべきものを分ける。
定型業務と、一部の非定型業務をできるだけコンピューターに任せるようにする。
この作業がちゃんとできていないから、ここ20年くらいの間にOECDの中で最も遅れてしまっている。
その原因はSIer

日本のシステム会社は発注を受けたら、一品料理のようにその都度、テーラーメードのシステムを開発して納品しているのである。たとえ以前、類似するシステムを開発していたとしても、ゼロから開発したような顔をして、高い金額を請求している。これは企業だけではなく官公庁や東証のようなシステムでも同じである。

 システム会社が“サイバーゼネコン”化し、それとともに彼らもまた競争力を喪失し、世界では勝負できないドメスティックな会社となってしまった。もちろん短期的に見ればその方がもうかるのだが、長期的に見れば日本全体の競争力、すなわち生産性の低下につながっているのだ。

 米国と日本のシステム会社を比較すると、「日本の致命的な弱さに通じる」とわたしは強い危惧を感じざるを得ない。せっかく製造部門で労働生産性を高めても、そういうところが足を引っ張って競争力を失わせることになってしまうのだ。

それでもなお、

 2007年4月2日付の「人民日報」は、「銀行の順番待ち状況は深刻」という表題で、3月24日から26日までの3日間に記者が北京市内の9つの銀行を訪れて実情を調査した結果を報じている。記者が番号札を取ってから、窓口で取引が終了するまでの時間は、国有銀行 4行では、最短が56分、最長が167分、平均が85分であったのに対して、株式制銀行5行では平均35分であり、その内、招商銀行が48分、北京銀行が47分であった。

 順番待ちが深刻なのは北京にとどまらず、全国の大都市に共通する問題である。ある調査会社が北京、上海、広州など10都市で1680人を対象に調査した結果では、78.2%もの人々が常に順番待ちに遭遇しており、大いに不満を感じている。

この国に労働生産性が追いつかれることはまだしばらくないだろうと思うアルヨ。