VMI(Vendor Managed Inventory)

from タイム・コンサルタントの日誌から

流通業(チェーンストア等)が使用者で、メーカーが納入業者の場合、チェーンストア側の商品在庫量を、メーカー側がウォッチして、在庫が無くならないよう責任を持って補充するのである。チェーンストア側は、補充された分だけ、支払いをする。これがVMIである。

従来のビジネスのやり方では、在庫レベルのウォッチと発注手配はチェーンストア側の作業だった。販売量を見て売れ方を予測し、どれだけ在庫を持つべきか決定する。そして発注書を切り、納入予定をチェックし、納品されたら検品作業をして、支払う。ところがVMIでは在庫量の決定と補充作業はベンダー側の作業になる。発注書も検品作業もなくなる。そして、在庫切れも(おそらく)少なくなるはずだ。使用者が製造業の工場で、部品材料のサプライヤーが納入業者の場合も、同じである。

明示的に発注することなくベンダーが必要に応じて常に在庫補充してくれる。サプライチェーンの理想形だ。

本文の事例は2種類に分けられる。

  • P&G+ウォールマート(パンパース)
  • 「富山の薬売り」

利用者側にとって発注リードタイムの長さ(アメリカは広い。富山は雪深い)がネックであり、それを解決することがベンダー側にとっても利となる。
前者は、ウォールマートがP&Gの主要顧客なので実現したのだという。POSデータの提供による密なリアルタイムな情報連携がカギ。
後者は、低い在庫管理コスト(かさばらない)と高い欠品リスク(命に関わる)がものを言う。今でも製薬会社はお医者さんに御用聞きに行く。病院は在庫管理担当者を置かないでいいし、製薬会社も儲かる(医師が職業柄、威張っていて製薬会社をコキ使っているだけのことかもしれないけど……)。