設計管理
オフショアを活用して上手くいかないとき、その原因を異文化のギャップに求めることが多いが、その実はただのマネジメント不在なのだという話。
原文はITの話ではないがITにももちろん言える。
その差はすなわち、『設計管理』能力の差なのだ。彼らのやり方は、たとえばこんな風だ:
- 設計という大きな仕事を、基本設計・電気設計・機械設計・・といった小さな職務単位に分解すること(WBS化)、
- それぞれの職務単位で、インプットとアウトプットと計算ツールを明確にすること、
- 進捗のプロセスを定義すること、
- 納期から逆算して各作業期限を設定し、隘路(クリティカル・パス)を把握すること、
- 文書と図面のリストを最初に作成し、図面番号と検索手段を定義すること、
- 要確認事項のトラッキング・リスト(To Do List)を作って追うこと、
- 設計上のリスク・ファクターを明確にすること、
- 設計者間の行き違いやコンフリクトを調整し、意志決定権限と責任範囲を定めること、
そして,
- 以上のプロセスを文書で明文化し、誰でも及第点のレベルでは遂行できるようにすること
である。
ひとつひとつをとれば、やっていることにそれほどの違いはない。だが、ここには設計者個人の力量に依存しないための方法論がある。少なくとも、設計はマネジメントが必要だ、という醒めた認識がそこにはある。エンジニアが年功序列で管理職になれば、そのまま管理ができるはずだ、とは単純に考えない。