男性は過去を褒めろ、女性はセンスを褒めろ
喫茶店でスーツの男性2人が熱心に話し込んでいた。先輩が後輩に何かを教えているように見える。
こっそり聞き耳を立てていると、話題はコミュニケーションの心得についてだった。彼らはおそらく営業畑のサラリーマンだろう。
そのうち話題は人の褒め方に移り、先輩氏の口から印象的なフレーズが飛び出してきた。
- 「男性は過去を褒めろ」
- 「女性はセンスを褒めろ」
何を褒められると嬉しいかは人さまざまだ。これらは彼らが想定する、ある種のビジネス領域における相手の褒め方の常道であり、一般化すべき事柄ではないかもしれないが、参考になる部分はある。
先輩氏によると「男は過去にすがる生き物」だという。この場合の「過去」はその人の学歴や業績を指す。先輩氏のイメージする「男」は、過去の実績を他者からさも偉大なことのように取り上げられ、賞賛されるのを好む。それは小さなことでも、人と違う、センスのよさにこだわる「女」とは対照的なのだという。
つまり彼らの中ではこういう構図ができあがっている。
- 男 → 褒められたいのは過去の学歴・実績 → 精神的よりどころが社会指向
- 女 → 褒められたいのは他人と違うセンス → 精神的よりどころが個人指向
ジェンダーの捉え方が類型的には過ぎるが、「お偉いさん」へのリップサービス、営業スキルとして考えれば、あながち的を外していないのだろう。