エウレカセブンと音楽文化

脚本家の佐藤大なる人物は、テクノ・レーベルのフロッグマン・レコーズ設立者だから音楽ネタはふんだんに盛り込まれている。くわしくはまとめサイトを参照

中でも気になるのは「リフ」の元ネタ=サーフィン。ここから連想されるのは、60年代のヒッピー文化(サマー・オブ・ラブとはベトナム反戦運動の盛んな1967年夏のこと)だ。

精神と機械技術の融合を夢見るなら、この時代の文化をモチーフにしてもおかしくはない("魂魄"や"阿弥陀"という、マシンの動力として不似合いな精神世界ワードの羅列。テーマとなる大地との共存)が、物語世界でヒッピーやオールドスクール風の格好がクローズアップされることはなかった。現代っ子の美的センスに合わないからか。

作中で宗教テロが描かれるのも(エウレカを助ける話の伏線だったのだが)、ベトナム戦争をモチーフに民族紛争を描いた方がよかった。

そして反戦活動としてLFOに乗って、「俺の歌を聴けェェェ!!」(それ違う)

音楽用語は単に趣味人向けの遊びでしかないのが残念だが、筋金入りのヒッピー文化はトミノ御大が「インド人万歳=ララァ萌え」という形で表現してしまったから仕方ないのか。

あと「セカンド・サマー・オブ・ラブ」なんて単語が飛び出すせいで、「このおっさん真顔で『ラブ!!』とか言ってるよ、うわー」という思いは禁じえない。ちょっと言葉選びのセンスがまずかった。