惑わされないための練習問題

kikulogより。
統計的な相関関係は必ずしも因果関係ならず、という話。

問題:
↓のグラフを見てください
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/temp/correlation2.jpg
これは、政府の統計資料を基に作ったもので、データは本物です。
縦軸は平均寿命ですが、では横軸はなんでしょう。そして、このグラフから得られる結論はなんですか

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/temp/correlation2.jpg

コメント欄で答えが出ているが、

カラーに限らないですが、これは100世帯当たりのテレビの保有台数。つまり、世帯単位で見たときの普及率を%表示したものです。70年代前半に延びている原因はカラーテレビだと思います。100%を越えてからも順調に伸びていて、95年には1世帯につき2台を越えています。
このグラフから「テレビは健康によい」という結論を出すのが、ニセ科学なので、結論まで正しいです。
この場合、寿命とテレビの普及率とのあいだに因果関係はないですが、どちらも社会が豊かになって技術が進歩してきたことの帰結なので、「同じ原因に由来するたがいに無関係なできごと」の例といっていいかと思います。

昔「アメリカで最も結核による死亡者数が多い州は、最も空気が綺麗だと言われる州である(なぜなら、他所から転地療養に訪れ、そこで死亡する患者も多いから)」という話*1を聞いた記憶がある。
統計というのはこういうものだ。数字には説得力があるが、惑わされないこと。

*1:http://ww2.wt.tiki.ne.jp/~keixx/quiz/61-70/a61.htmlに良く似た記述あり。本当の話ではなく、統計の誤用を戒める、よくできた寓話の類なのかな?