FF5やってみた

しーな嬢があまりにも楽しそうなので、つい感化されて久々にプレイ。今回は、ゲームボーイアドバンスでリメイクされたFINAL FANTASY V ADVANCEの方を。

ファーストインプレッション

GBA版だとキャラがセリフを喋るときフキダシに天野喜孝*1の強烈な絵を忠実に再現した顔グラがあらわれる。

焦点のあわない視線、シュールな無表情というのが、天野画伯の人物画。良くも悪くも個性が強く、見る人によっては違和感あろうか。演出上はキャラの心情にあわせて天野絵も変化があると良かったと思う。

たくさん人が死ぬシナリオ

ドラマ盛り上げのための死亡事故が多すぎ、という部分はある。でも、志の「継承」を描くにはああして年長者を殺すべきなのかしら。

死人が出れば大概の人は何らかの感情が刺激されるのは間違いないので、子供向けメディアとしては致し方ない。FF4のドロドロ愛憎劇の反省かと思う。

ファファファ

ラスボス・お調子者エクスデス*2は邪念がこもった樹木の化身で、なるほど「クリスタル」という魔法の天然資源を人間が濫用した挙句、自然に意趣返しを喰らうという、FFらしいエコ寓話。つまり自然の象徴たるエクスデスはダークサイドの主人公。

……の割に、森に火をかけ同朋を殺すに躊躇しない彼は、結局『無』の力という訳の分からないモノに耽溺し我を失う。「結局ファファファは何がしたかったんだろうね?」としーな嬢が疑問に思うのもしかり。FF史上最高に理解できないラスボスである。

ゲームシステム

ゲーム性は最高級。自由度の高いジョブ+アビリティシステムの最高峰だと断言していい。

このゲームのやりこみ攻略としては、低レベルクリアが流行った。単純にレベルアップの(HP/MPなどのステータスを上げる)ための経験値と、そのジョブ特有のアビリティ(技能)を修得するためのアビリティポイントとが分離されているため、必要なアビリティポイントだけをそろえ、戦法を見誤らなければ、初期レベルに近いステータスでもクリアできるという仕掛けの妙味があるのだ。

それでいてザコ敵すらも即死技、あるいはHPを1桁台に削る技とかを割と持っていて、どれだけレベルを上げてもザコ戦すら気が抜けない、最低限の緊張感は保たれる絶妙のバランス。ロマサガシリーズなどに通ずるものはある。

主人公は空気

ジョブ+アビリティシステムの自由度のためにプレイヤーキャラクターの個性を犠牲にした面はもちろんある。

ジョブ(職業)とアビリティ(技能)の組み合わせが自由ってことは、「主人公は凄腕の剣士」みたいなイメージの固定ができない。すると、個性は薄くなる。

もとより主人公は旅人という名のホームレスニート*3。そして、仲間は全員、王侯貴族。

王女3人&ニート1人ともなれば、そりゃあ背負ったモノも違うだろうし、ドラマ的には空気にもなるさ……。


しかし「ゲームにおける真の主役はプレイヤーである」と考えれば、主人公バッツ君は立派に主人公として「空気のような役」を演じてくれたという訳である。

そこは、当時のゲームの感性としては全く正しいと言わざるを得ない。

*1:それにしても、このスレには不覚にも爆笑した→[ 天野喜孝風に安価絵描くスレ] by ==== かそログ ⊂二二二( ^ω^)二⊃

*2:ex-death=死を超える者=お超死者=お調子者

*3:しかも友達がいない。別世界へ旅立つ時も、「チョコボ」という乗用の鳥だけに別れを告げる。そしてそのチョコボも再会時には女房を貰い子供まで作っていた。ニート絶望。