ランキング住人名簿 (3)「ワールドイズマイン」
VOCALOIDランキングの門番どもを紹介する短期集中連載。今回は、ryo最高峰の中毒性を誇る「世界は地雷」。
ワールドイズマイン
VOCALOIDランキング#38の3位。「せかぁいでーいちばんーおひめさーマッ」というキラーフレーズ頭サビには、文句なし、降参。メンヘル一歩手前のキャッチーさがたまらない。
弦楽隊+ピアノ+ギターのシンフォニック+ブルースロック。エヴァネッセンスあたりを薄くしてaikoとかとごった煮に。近年流行ったガールポップ要素の詰め込みと、ポップスの正攻法のつくりを逆手にとった進行はさすがの一言。
「アッー」とか「チェックぱんつぅ」(空耳)といったシャウトの初音ミク調教は相変わらず素晴らしい。
詞は、「お姫様扱いされたい高慢な女の子視点」であり、その裏には、あからさまに「『高慢に振舞う女の子が可愛い』と思う男視点」がある。高慢さの裏には守ってあげたくなる弱い自我があり、つまり、ツンデレですね、わかります。
だが、女の子はこうも言っている。
べつに わがままなんて言ってないんだから
キミに心から思って欲しいの
かわいいって
それはつまり「『高慢に振舞う女の子が可愛い』と思う男視点」を意識した、「『高慢に振舞う女の子が可愛い』と思う男の気をひくために、高慢に振舞う女の子視点」なのか。
いや、「『高慢に振舞う女の子が可愛い』と思う男の気をひくために、高慢に振舞う女の子を、可愛いと思う男視点」なんだろうか。
なんなんだろうか、これ、「宝塚の男役同士のボーイズラブカップリング」*1みたいに交錯してワケワカランが、まあ男女関係はもともとワケワカランもので、かつ「女の子」というのは期間限定の特殊な性的対象であり、その付加価値を見る側も見られる側も意識するからこそこういう歌詞が生まれるわけである(みもふたもない)。
ちなみに「世界は地雷」をリピートしてたらDo As Infinityが聴きたくなった。90年代以降のヒップホップを経由したハードロック解釈のマッシュアップ感が似ているな。
次回は「ブラック★ロックシューター」についてごにょごにょと書きます。
*1:本当にこういうジャンルがあるらしい。