編集者と作家の関係:浦沢モデル

僕思うに、人が足りてないんじゃないですか?
作家への感情のフォローが手薄になるってのは、作家一人にかけられる時間が少なくなってるとしか思えないんですよ。

 浦沢さんは十年以上、従来の漫画家と編集者の関係に違和感を覚えてきたという。

 「週刊連載を、漫画家がセルフプロデュースするのは、極めて難しい。確かな『他者の目』を持ち、方向性を示してくれる存在、すなわち優秀な編集者が欠かせない」。事実、プロットやシナリオなどで、編集者が作品に果たす役割は大きい。

 “共著者”に近い関係にもかかわらず、「編集者の大切さに気づいていない」と、浦沢さんは指摘する。

 「担当の編集者といい関係を築いても、出版社内の人事異動で離れることになる。漫画というアート的なものに中に、企業的なものが潜り込むのに違和感があった」

 浦沢さんは、フリーという立場が漫画界で確立することを期待する。「『あの人にプロデュースしてほしい』と思い、漫画家が編集者を選ぶことが可能になる」からだ。