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懐かしい系のゲームの動画を観ていて、ふと思い出してプレイしてみた。
地味さが否めず*1、リメイクもできない*2SFC時代のスクウェアの不遇の名作RPG。

仔細はWikipediaを見てもらうとして、このゲームは構成が面白い。
前半は7つの短編RPG集となっている。

  • 西部編
  • 近未来編
  • 現代編
  • SF編
  • 功夫
  • 原始編
  • 幕末編

1つ1つが小粒ながら、それぞれ独自システムを持ち、主人公や世界観に個性やテーマ性を持たせている。
たとえば西部編なら、荒くれ者を退治するため、時間内に罠の材料となる道具を集め、町の住人に仕掛けさせる。そうしてより多くの罠を効率よく仕掛けると、最後の戦闘が有利に運べる。

幕末編は囚われの男を助ける密命を帯びた忍者が、隠れ蓑の術を駆使して単身城へ乗り込む話*3

SF編は宇宙船を舞台にした、密室殺人謎解き+ホラー・アドベンチャー*4で、原始編に至っては言葉をまた持たない人類の話。鋭敏な嗅覚を手がかりに進み、感情表現は絵などで表される。

そして後半、衝撃の展開と共に「魔王」と化す主人公を描く中世編*5と、その他の7人の主人公を統合する最終編へ至るシナリオが見事。

このゲームのテーマは「人生」であり、各編いずれも、さまざまな時代、世界での主人公たちの生々しい感情、生き様を高い演出力で描いている。

以下は中世編で、主人公に劣等感を抱き、彼を国王殺しの罪人に陥れた、魔法使い・ストレイボウのセリフ。

「テメエはここに来やがった!!
 テメエはいつもそうやって!俺のしてぇ事をブチ壊しやがるッ!!
 むかしッからそうだ!俺がどんなに努力しても!テメエはいつもそのひとつ上を行っちまうッ!!あの決勝大会の時もなぁッ!」
「俺があの夜どんなに苦しんだか・・・テメエにッ!テメエなんかにッ!!わかられてたまるかよッ!!」
「だが・・・俺は、今迄の俺じゃあねえ・・・」
「今こそッ!てめえをブッ倒しッ!!テメエの引き立て役だった過去に決別してやるッ!!」

「あの世で俺にわび続けろオルステッドーーーーッ!!!!」

*1:発表時期は、人気シリーズの「ファイナル・ファンタジー6」とドリーム・プロジェクトが手掛けた「クロノ・トリガー」に挟まれた。

*2:登場人物のデザインは、当時、小学館で連載を持つ人気マンガ家が行った。そのため一部キャラ版権を小学館が持っている。

*3:後の「メタルギアソリッド」等にも通じる、スニーキング・ミッションのゲームだと言える。

*4:クロックタワー」みたいな、どこに潜んでいるか分からない凶悪な存在に怯えつつ進んでいくスタイルのゲーム。

*5:途中までスタンダードなファンタジー系RPGで進行するが、一転、親友の姦計により主人公は凋落人生を歩む。おまけに婚約者はその親友に懸想、親友を返り討ちにした後、恨み言を残して目前で自害。人間に絶望し、主人公は魔王へと変貌。