メタルギアソリッド
擬装用のダンボール箱をかぶったまま、高速でほふく前進する主人公・スネークの姿が印象的だったので、フルプレイ動画を探してみた。
有るもんだね。さすがはニコニコ動画。
「メタルギアソリッド」(MGS)シリーズは、スパイ映画さながら孤高のエージェントが敵に見つからないように単独潜入任務を遂行するというステルス・ゲームだ。たとえ直接視界に入らなくとも足音や銃音をたてればバレるし、体術で敵を気絶させても無線に応答がないせいで異常と見なされ警戒されるケースもある。必要以上の攻撃は自重し、攻撃を行ったらすみやかに場を離れないといけない。
そういう渋いゲームなので、リアルな3Dポリゴンキャラによる映画的な演出とは相性がいい(というか、むしろ映画を意識して作ったとしか思えない)。
たとえば「ファイナルファンタジー」(FF)の絵のリアルさは付加的要素だが、MGSでは渋いリアルキャラでこそ自然という印象をうける。
とりわけ東西冷戦を舞台としたMGS3が最もスパイ映画的で、露出度の高い美女スパイがバイクの上からモーゼルを馬賊撃ち*1するシーンは大興奮。実は彼女が二重スパイで主人公が裏切られるのも、ある種、男の美学である。
ゲームの基本目的は「メタルギア」という新兵器をぶっ壊すこと。「メタルギア」は単独行動可能な二足歩行式の核ミサイル搭載兵器で、これが完成すると、誰がいつどこで戦略核を撃つか知れない世の中になる。
そればかりか、MGS2では超高性能AIを搭載して世界中のネットワークに潜入し、「愛国者達」(表に出てこない影の支配者。明確には出てこないが、ユダヤ系の大財閥とかを想定しているんだろう)に都合のいいように情報統制をするために開発された新型メタルギア「アーセナルギア」が登場する。*2。
昨今の世相を反映して、東西冷戦をひきずった戦士たちの居場所がどんどんなくなり、また支配者たちが情報統制に躍起になりつつあるというのも結構リアルで面白い点である。
ただ、MGSの脚本は、ちょっと、くどいというか、全体に「お前ら戦闘中にどんだけ喋ってんだ」と思う箇所や、中二病全開のところもあって……。「上映時間を短くすれば、映画館の回転率が上がり、興行収入につながる」映画と違ってさほどシビアに脚本をカットしないんだろうなあ。
ちなみに、MGSといえば名フレーズ「性欲を持て余す」であるが、あれは空耳ではなくて、ちゃんとそう言っていたということをプレイムービーを見て分かった。