ゆとり

先週の日経ビジネスの「敗軍の将、兵を語る」で文科省を辞した「ゆとり教育」の中心人物がインタビューを受けていた。

ゆとり教育」といえば、すぐ連想されるのは「円周率=3」。長年常識的に3.14で近似していた円周率を3に切り捨てる、暴挙ともとれるカリキュラムの改変だが、「では『円周率は3.14』と丸暗記するのが賢いのか」と抗論されれば確かに考えるところではある。

暗記偏重の教育を捨て、すべての生徒に対してとりあえず最小限の知識を与えた状態から考えるプロセスを重視するのが「ゆとり」の主眼だという。

円周率の例であれば、円周=直径×円周率なので「直径が1の円」であれば円周率が3なら円周も3である。

そして、その円が外接するよう正六角形を描いてみる。

http://binoculars.at.infoseek.co.jp/zakki9/nai6.GIF

この正六角形の辺の長さの合計も3である。

http://binoculars.at.infoseek.co.jp/zakki9/6bunkatu.GIF

「あれ? 円周率って3じゃないんじゃ……」

そこで疑問に思う子どもだけ先に進めばよい。

思考能力と知的好奇心を醸成し、学習を自由裁量*1できる子どもを作ることこそ「ゆとり」の目指すものだろう。

けれども、そこにリーチするには現行の枠組みがちょっと足りなくて、↓ぐらいの改革は必要だと思うのだが……。

  • ひとりひとりの個性を尊重した上で、子どもにとって本当に必要な教育を個々の家庭で判断するため、小学校の高学年から科目選択制にする。
  • 社会と教育の多様性を高めるため、学習基本要領を大幅削減し、義務教育期間を短縮(撤廃)する。
  • 学生の質を高めるため、大学入試は簡易にした上で、入学後の学科単位で厳しく試験する。

小学校の時点で落第生があらわれるレベルになっちまえば、イジメなんてやってる暇はなくなる。