合理的な意志決定のつみ上げがマクロな不合理を生む

from タイム・コンサルタントの日誌から

いつも示唆に富んだエントリを書くタイム・コンサルタント氏だが今回は際立っておもしろい。

部分最適は、全体最適に一致しない。

例として、ゲーム理論で有名な「囚人のジレンマ」を挙げた上で、同様の思考パターンを生産管理の現場に見てとる。

(1) (2)

どの部門もリードタイムは長め長めに、在庫量は多め多めに動くことになる。各部門がそれぞれリスク最小化のために、余分なサバ読みを行なっている。それが部門レベルで合理的に行動した結果だ。だが、その結果、会社レベルではどうなるか。あきらかに高コストで長納期、競争力のまるで無い状態に陥るのだ。

これを筆者は分業病と呼ぶ。これを解決する方法は3つしかない。

  1. 全員に正しく生産管理を理解してもらうこと
  2. 全体を見通すコントロールセンターの部署を作って、手配指示はそこから出すようにすること
  3. 各部門の評価尺度を、全体最適を実現できるような矛盾のないものに変えてしまうこと

1は、理想だが遼遠な道。よって2(計画系の強化策)か、3(モノサシを全体最適に変える)が現実的だ。

そして、なにより、部分的な合理性をつみ上げても、全体のマクロな合理性は生まれないことを知るべきなのだ。

あなたの組織は全体最適のために動けているだろうか?