コンピュータ・ネットワーク上の「無償サービス」と競争

慶應義塾大学大学院経営管理研究科・國領二郎氏によるインターネット上で無償サービス提供が行われやすい理由を分析した論文。

結論部分より抜粋。

 オープンなコンピュータ・ネットワークには動機のいかんに関係なく、無償でデジタル財を提供しやすくするような経済構造をしている。その要因を要約すると次の三つになる。(1)サイバースペース上におけるデジタル財の提供にあたっての変動費の低さ、(2)デジタル財を販売しようとした時の課金コストの高さ、(3)デジタル財生成にあたってのネットワーク外部性の強さ。これら三つの要因は全てデジタル財の無償供与のインセンティブを高めている、という見方である。

参考
(1) 変動費が低い = 費用逓減産業である。
http://mbasolution.com/onepointmba/lesson92.htm

(3) ネットワーク外部性 = 利用者数や利用の頻度などがその製品・サービスの利用によって得られる効用や利用価値に影響を与えるという性質。
http://d.hatena.ne.jp/yoshionarita/20060724/p1
http://www.e-kensyu.net/mlnews/backno/vol20.shtml