上木彩矢

風貌は「ロックな倉木麻衣」だが、やはりといえばやはり影武者養成所・GIZA Studioの手の者だ。GIZAにはクローン技術者でもいるのか?

ZARD、B'z、大黒摩季倉木麻衣、相討ち里奈(一発変換)と、上木彩矢。これらビーイング系事務所に連なるミュージシャンを並べてみると、以下の印象を共通して受ける。

  • 可もなく不可もない優等生感
  • 決して古くはないが流行からは半歩遅れ感(後追い感)

でもそれは結果的に小ヒットをコツコツ重ねることになるわけで、産業的には正解なのだろう。

日本は、斬新なオリジナリティ・アイデア・創造力には欠けるが、他人の作ったものを小型化・洗練・改良することに長けた国である。

たとえば米国帰りの本格派・宇多田ヒカルが傍若無人に大ブレイクしたとなれば、多少グレード感を落としルックスを線の細い和風美少女に仕立てた倉木麻衣を世に送り出す。その匙加減こそ日本の地場産業たるJ-POPと言うべきだろう。そのバランス感覚は、長続きするとは限らないのだが*1

今回の上木の場合、元ネタは「NANA」の中島美嘉あたりか。あの漫画・映画が受けて「ロック少女もまだまだイケル」と事務所側が判断したんだろう。まあ、あいかわらず個性はないけどミカティーなんかよりずっと歌はうまいですよ。

*1:事実、倉木のデビュー作「Love, day after tomorrow」、4作目「Never gonna give you up」は大層よい出来で余は満足であったが、それに比して2・3作目が凡作でありかつその後が続かなかった。元ネタの宇多田ヒカルが当初のR&Bスタイルを止め、自身のジャンルレス化を積極的に図ってきたので、まるで宿主を失った孤立無援の寄生虫が栄養を得られずに衰弱していったかのようである。