レバレッジドリース

最近おもしろい言葉を知ったのでメモ。

レバレッジドリース

航空機、船舶など巨額な割に耐用年数が短い不動産はリースにより提供されるのが一般的。

  1. 設備投資の初期コストを軽減でき、資金の効率的運用が可能
  2. リースであればリース料が全額損金となり税制上有利*1
  3. リース料は有利子負債に計上しなくてよいので、バランスシートの改善になる

*2、利用者のメリットは多い。一方、リース会社も不動産リスクを分散するため、あるスキームを使って固定資産の転嫁と資金調達を同時に行う。それが「レバレッジドリース」だ。

大まかな仕組みとして、SPC(特定目的会社)を設立して金融機関から資金を借入れ、メーカーに代金として支払って物件を取得、リースを行い、そのリース事業利益を原資とした配当を約束し、負債を小口証券化して投資家に販売する。

投資家は黒字企業。ちょっと儲けすぎちゃって今年の税金がやばい企業だ。彼らは利益を分割して先送り、平準化したい。だから、リース物件購入による多額の減価償却費を引き受け、損益通算して一時的に利益(にかかる税金)を圧縮する。

その後、未償却残高が減るに従い償却費は減少(定率法による償却)。一方、リース期間中は安定して一定の売上を得るので、期間の後半では損益は黒字に転じ、トータルで見ると投資家は投資金額を回収することができる。

これにより、投資家は労せずして利益(にかかる税金)の先送り効果*3が得られるというわけ。

http://static.flickr.com/98/208250664_078c9f5f3e.jpg*4

「レバ刺し」

このレバレッジドリース節税に対する国税当局の規制を「レバ刺し」というんだそうだ(これが書きたかっただけ!)。

公認会計士のメモ帳: 租税回避商品 の規制策を参照。

しかし、自民党ホームページによると

【平成17年 6月29日】

■ 定期航空協会など招き初会合 航空機調達に関するワーキングチーム


 航空対策特別委員会の「航空機調達に関するワーキングチーム」が29日、初会合を開いた。日本の航空会社が航空機を調達する際に活用していた制度のひとつ「日本型レバレッジドリース」が、平成19年4月以降使えなくなる。このため、この日の会合では、今後も機種更新が円滑にできるよう安定的な資金調達などを踏まえて、航空業界が置かれた経営環境などについて国土交通省と定期航空協会から説明を受けた。議員からは、各社の利益からコスト削減の方法まで、幅広く確認する質問が出された。

航空業界だけは依然堂々と平成19年までレバれるのだそうだ。

*1:購入した場合、代金を全額支払っても、費用計上できるのはその期分の減価償却費。

*2:詳しくは三井住友銀リース | リースのメリットを参照。

*3:詳しくは以下のWEBサイトにて。

  • UFJセントラルリース株式会社
  • 三井住友銀リース
  • 東京リース株式会社

    *4:http://www.ufjcl.co.jp/data/c06_03.htmlより