一番大事なのは「何が見えていなくてはいけなくて、何が見えていなくていいか」を見極めることなのだろう。
同じモノを観ても、それがホワイトボックスかブラックボックスかは人によって分かれる*1。
神ならぬ人間はすべてのモノをホワイトボックスにすることはできない。
仮にそれを可能だとしても、きっとしない。人間はどうして歩けているかを考えなくても、無意識に歩けるからだ。
しかし、二足歩行できる人型精密機械*2を創る技術者たちは、人間が無意識のうちに、かくも精妙な筋肉と骨格の制御によってスムーズに二足歩行できることに驚嘆し、感嘆と苦悶を繰り返さなければならなかった。
彼らにはそれが必要だったというだけだ。