SAMURAI DEEPER KYO(〜27)

464.jp収録の27巻まで読んだ。
長いストーリーだが、前半に無造作に広げられた謎の数々、伏線が消化されてきた。作家に描きたいものをちゃんと描かせつつ、作品の完成度を高める、マガジン編集部の手腕を感じる。

ダークな伝奇・ホラー風の物語設定*1の中、裏切りと因縁でがんじがらめ、殺気がムンムンの登場人物たちなのに、全体の雰囲気は少年マンガらしくて、オドロな感じがしないのは、今風の繊細でライトファンタジーな絵柄と明るくテンポいい展開、登場人物のキャラ立ちのせいである。少年マンガとしての良心には好感が持てる。

あとは表現の幅を広げるといいのでは。「遅いぜ」と言いながら相手の背後に回る描写だけが速さの表現ではないはずだ。

*1:壬生一族という不死の一族が歴史の裏で日本を支配している。彼らは超科学を持ち、生命をもてあそぶ生体実験を繰り返していた。