今月の1本:ハンター×ハンター

MSN-Mainichiより。
評者は、ハンター×ハンターという作品が、少年マンガの究極の到達点としてのメタ・少年マンガであると捉える。

試験会場へたどり着く道も自分で探さなければならず、エントリーした者の大半は暴力的に振るい落とされる。加えて「新人が合格する確率」は「3年に1人」とされ、さらに、資格を得たこと自体が重要なのではなく、資格を得たうえで何をなすかが重要だと語られる。まるで「ジャンプ連載陣」へのエントリーだ。

評者の視点からは、作中の「ハンター試験」は、ジャンプ連載システムのメタファである。

そう、「ハンター×ハンター」の主題はまさに「いま、少年マンガを描くこと」なのだ。そこでの表現が「少年マンガ」というジャンル全体への言及となることで、冨樫義博はまっすぐそれだけを見据え、目をそらすことはできなくなったのではないか。

確かに、作者・冨樫は、今、いろいろな意味で少年マンガの限界ギリギリに挑んでいると思った。