和音の限界

西洋和声学のハーモニーとは12半音の組み合わせでしかありませんし、その中で音楽として成り立つ組み合わせは、人類の音楽史の中でとうに出尽くしています。
和音でオリジナリティを出すには12半音から逸脱するしかありませんが、そういうものは我々の耳にはピッチのずれた音にしか聴こえず、きっと斬新過ぎて売れません。

調性と和音という絶対的な引力からの、脱却への実験。
それこそが現代音楽の足跡であり、第4の要素「音色」への道のりなのでしょう。

ピアノの音色を加工するプリペアド・ピアノを創り出したのが「4分33秒」のジョン・ケージであることは偶然ではありますまい。