無理やり伴奏

スケールはハ長調であるにもかかわらず、レで開始・終了などとは近代西洋和声学の常識で考えればありえません。
そんな「君が代」に、和声編曲を施したのは、ドイツからの音楽教師フランツ・エッケルト
エッケルトは「君が代」のメロを一目見て、「なんじゃあこりゃあ!?」と思ったに相違ありませんが、苦心して彼が曲をつけた結果、今、世に知られている「君が代」の曲は、こうなっています。
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tpnoma/kimi/kimigayo2.jpg
譜面を、http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tpnoma/より拝借。

入りと結びの2小節はメロディのユニゾンで、その間でハ長調の伴奏をつけた構造になっています。
どうも西洋和声学と相容れないメロディのため、たとえば曲中唯一シの響きが現れる4小節目にはファ#が現れて転調しかけたり、8小節目のレは主音なのにV度の半終止に聴こえたりする辺りが、すんなり腑に落ちなくて難しいですよねえ。

MIDIファイルを参照のこと。