取説実用編(2)
前に書いたエントリのつづきです。
取説で人を見る、その2。
上司が私に思うことは、おおむね以下のようなことらしいです。
「どんな状況下でも淡々とやれるのはいい」
「上から見ているようで第三者的すぎる」
「もっと前に出て」
「自分のこだわりや色を出して取り組んで欲しい」
職人タイプの学者タイプに対する視線です。
職人タイプは自分の中に一貫した正義や美意識を持っていますので、常に客観的で一歩引いたような態度をとる学者タイプに歯がゆいような物足りなさを感じるのでしょう。
一方、学者タイプの私からすれば、仕事の結果はお客様のためであって、お客様が満足するのなら、結果として、自分の目から見てどんなモノになったとしても構いません。
作る側のこだわりなど、お客様にとって取るに足らない些事です。
東京の人から見れば大阪も京都も誤差のうちだから、出身地を間違われても、別に気にしないと前に書きましたが、似た感覚です。それが悪いことだと思ってもいません。
ここのところ、職人タイプからしてみると「それではちょっと寂しい」という感想になるようです。
上司:職人の場合
職人タイプの上司は部下を自分の弟子として懇切丁寧に、かつ厳しく育てようとします。
そして、職人にとって弟子は、師匠の技のみならず、美意識や生き様までも学ぼうとするのがあるべき姿なのです(なので、気に入った弟子には、たびたび説教を聞かせます)。
それを理解していても、客観的に考えると決してコストに釣り合わないなあと思うのが学者タイプなのですね。
でも、帳尻はあわせたいから無理にでもスケジュールは守ろうとしてしまうのが、悲しいところ。