人生の取扱説明書

前回の日記を書いて、岡田斗司夫で思い出したのがコレ。
http://www.netcity.or.jp/OTAKU/okada/library/priodical/torisetsu/
「人生の取扱説明書」(以下、「取説」)という「SPA!」誌の連載記事で、氏の経験をもとに、人間を根源的な欲求から4タイプに分類し、それらの特性や関係性について、解説を行っている。
これはなかなか興味深い。

以下に、その内容について簡単に紹介する。

「取説」4タイプ概説

「取説」では、人間は、以下の4タイプのいずれかに属するとされる。

  • 王様
  • 軍人
  • 学者
  • 職人

本文から引用すると、

軍人タイプ
負けず嫌いで、常に勝ち負けや順位にこだわるタイプ。仕事も恋愛も家庭も、すべて他人と比較して、誰に対して勝ち、負けているか、客観的、社会的に見て自分はどれ位のレベルかをいつも計っています。また、自分よりレベルの上の人を敬い、秩序を守ろうとする心を持っています。
王様タイプ
とにかく、誰よりも注目されたい。ほめられたい。認められたい。かまわれたい。という欲求が強いタイプです。勝負で負けても、「惜しいね」と注目され、慰められさえすれば、あまり気にしません。逆に、無視されたり、ないがしろにされるのが、一番つらく感じるタイプです。
職人タイプ
自分の考えている通りに、ものごとをやり遂げることにこだわるタイプです。客観的な成功や完成ではなく、他人の目からはわからない確固たる基準や理想像が自分の中にあって、それに近づく事が喜びとなります。逆に、いくら努力しても近づけないことが悲しみや怒りになります。
学者タイプ
ものごとの仕組みや法則を、自分なりに理解・発見・推測することに喜びを感じるタイプです。たとえ勝負で負けても、なぜ負けたか分かれば納得し、他人から嫌われても、なぜ嫌われているか理解する方が大事な事です。逆に成功しても、その理由がわからないと落ちつかないのです。

「取説」4タイプの心理的優位・劣位〜右回りの法則

ここでいう優位・劣位の意味については、以下のとおり(引用)。

ある人に対するとなぜか相手を軽んじたり、組し易いという印象を持つ場合があります。そんな心理的状態を、「優位」と呼びます。逆に憧れを感じたり、近寄りがたい印象を持ったり、その人の言うことについ従ってしまったりすることもあります。そういう心理的状態を、「劣位」と言います。

優位・劣位は、以下の関係になる。

1.職人<王様

 成功している王様タイプは、職人タイプにとってあこがれの対象です。自分の感性を貫きながらもみんなに認められているように感じられるからです。逆に、王様タイプにとってこだわりの職人タイプは、せっかく、みんなに認められるチャンスがあっても、個人的なこだわりで不意にしてしまう、しょうがないヤツに映ります。

2.王様<軍人

 成功している軍人タイプは、王様タイプにとってあこがれの対象です。みんなからの認められ方が、地位や順位、資産といった形ある確かなものなので、安定した本当の賞賛を受けているように感じられるようです。逆に、軍人タイプにとって王様タイプは、お世辞に弱く、頼られるとつい安請け合いばかりする、しょうがないヤツに見えます。

3.軍人<学者

 成功している学者タイプは、軍人タイプにとってあこがれの対象です。築いている地位や権力が、運や生まれではなく、確かな哲学や社会観察の結果の安定したものに感じられるからです。逆に、学者タイプにとって軍人タイプは、目先の損得、勝ち負けに惑わされて、真実を見失うしょうがないヤツに見えます。

4.学者<職人

 成功している職人タイプは、学者タイプにとって、あこがれの対象です。感性による成功を、より深い洞察力や広い視野によるものだと感じられるからです。逆に、職人タイプにとって学者タイプは、自分の心で感じずに、理屈でばかり考えるしょうがないヤツに映ります。

これを以下のように図示した場合、あるタイプに対する優位タイプが常に右側にあたるので、これを「右回りの法則」と呼んでいる。

 ┌──→王様──┐
 │       │
 │       ↓
職人      軍人
 ↑       │
 │       │
 └───学者←─┘

そしてこの4つのうち、対角線にあたる2タイプ同士(職人vs軍人、学者vs王様)は互いに、相手の持つ欲求が非常に少ない。
つまり、互いをなかなか理解できないのだそうだ。

調子の良いとき・悪いとき〜右回りの法則・左回りの法則

人間は調子が良いとき・悪いときに、本来の自分でない、別タイプの欲求が増すということもある。

 ここでもう一つの法則。どのタイプも、調子が良く、気力が充実している時は、憧れの右回りの欲求を満たそうとし、調子が悪く、元気のない時は、左まわりの欲求でがまんしようとします。

これらを右回り・左回りの法則と呼ぼう。

 具体的な例で説明しましょう。
 例えば、徹底したマーケティングでヒットを飛ばし続ける軍人タイプのユーミン。彼女が絶好調の時は、「私の成功は、独自で開発したマーケティング理論によるものだ」という風に考えているでしょう。又、スランプで落ち込んでいる時は、「みんなが喜んでくれてればまぁいいか」と考えてしまいます。
 プロデュース活動自体が、この社会を使った巨大な実験と考えている学者タイプの小室哲哉。彼が調子のいい時は、「自分のセンスを分解し、再構築することこそ、本当のクリエイティブだ」なんて考えているかも知れません。が、スランプの時は「まぁ、今度の曲は10位以内に入ればいいよ」と消極的に考えているかもしれません。

調子が良いときに憧れの(右回り)方向に手を伸ばすのもいい。
大事なのは、いかなる状態でも自分の欲求の中心を見極め、それを満足するよう自分をコントロールすることである。

取説の使い方

  1. 自分がどのタイプに属するかを分析する
  2. 職場の同僚・上司など身近な人物がどのタイプに属するかを分析する
  3. 彼我のタイプの特性、優劣等を鑑み、それに適した接し方を考える